研究基盤
研究環境を向上させるための共同利用施設等の「研究基盤」です。慶應医科学開放型研究所(KOA Facility)を中心に、次世代シーケンサー、レーザー顕微鏡などの最先端機器、実験動物の飼育施設など、研究を支えます。また、慶應義塾ヘルスケア産業プラットフォーム(K-PHI)、産学官連携コーディネーター(URA)等による、人的なサポートもいたします。
コーディネート機能
慶應義塾ヘルスケア産業プラットフォーム(K-PHI)
慶應義塾大学ヘルスケア産業プラットフォームは、人々の生活の基盤である健康を維持・向上する役割に応える事業を創出する母体として、大学が機能するための「場」を作り、ヘルスケア産業における大学の知の活用を、産学官連携の推進を通じて行います。
産学官連携コーディネーター(URA)
慶應義塾大学では、2006年に治験・臨床研究に、クリニカルリサーチセンター(Center for Clinical Research)が設置され、2014年6月から、知的財産・産学連携等の担当のUniversity Research Administrator (URA)計4名が総合医科学研究センター内に常駐をしています。URAは、K-PHIやCCR等と連携をし、研究推進に向けた人的支援を行います。U R Aの整備は文部科学省の研究大学強化促進事業の支援で実現したものです。
共同利用・共同研究拠点機能
慶應医科学開放型研究所(KOA Facility)
特に、幹細胞研究や代謝研究の領域においては我が国をリードする研究成果を挙げ、幹細胞治療開発において世界トップレベルの研究を推進 してきました。そうした中で、世界に冠たる共同研究の場を形成することを目的に整備してきた共同利用施設群が、より機能的な組織となるよう、 慶應医科学開放型研究所(Keio-Med Open Access Facility:KOA Facility)を形成しました。共同利用研究室の中央機器管理部門や生命情報学部門、動物実験センター、ベクタープロセッシングセンター (KVPC)その他の共同利用施設群の総称です。共同利用・共同拠点として2008年10月に文部科学省に認定され、2009年1月に慶應義 塾の先導研究センター内へ位置づけられています。
動物実験センター
RI実験センター(放射線安全管理室)
慶應義塾大学医学部の研究用放射性同位元素(RI)や研究用X線装置の共同利用を行っています。
トランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)部門
我が国では生命科学や基礎医学の分野で世界一流の研究が活発に行われています。しかし、その成果が必ずしも新薬や新規医療機器の開発に結びついていないのが現状です。そのため、製薬および医療機器の産業分野で、日本は欧米に遅れを取っています。医薬品・医療機器分野における日本発の革新的イノベーションの実現のため、現在トランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の強化が求められています。トランスレーショナルリサーチとは、基礎研究の成果を実用化へ橋渡す研究開発過程のことです。トランスレーショナルリサーチにおいては、学術研究に加えて知的財産戦略・産官学連携・開発薬事・臨床研究マネジメントが一体となって初めて、厳しい基準を満たし国際的に通用する医薬品や医療機器を生み出すことが出来ます。そのための体制整備を慶應義塾大学は進めています。
その他
- ポストドクター・キャリア開発事業
- 「P hD躍動メディカルサイエンス人材養成」事業
- (MEBIOSプログラム)(平成20年(2008年)7月~平成25年(2013年)3月)
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慶應義塾大学医学部の研究には、理工学、薬学、農学、情報科学などの背景を持つPhD人材(博士号取得者および博士課程学生)が参画しています。これらの若手研究者の企業等実社会への進路を支援する組織 “MEBIOS”(メビオス:Medical biologist support)が設立されました。企業への短期派遣のマッチングを柱に、語学講習などの実践プログラムを提供し、メンターによる人材育成を展開しています。
- テニュアトラック普及・定着事業(若手研究者の自立的研究環境整備促進)
- 「「細胞と代謝」の基盤研究を担う若手育成」事業
- (咸臨丸プロジェクト)(平成20年(2008年)7月~ 2013年3月)
- http://www.careerpath-prj.keio.ac.jp/kanrinmaru/
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若手研究者の自立を支援するため、国際公募により学位取得10年以内程度の特別研究准教授・講師を採用し、研究スペースや研究資金を提供して大学内外のテニュア・ポスト獲得への道を開く制度(慶應・咸臨丸プロジェクト) を制定しました。5年の任期付きで採用された12名(2010年1月現在)の若手研究者により、「細胞と代謝」領域の最先端の研究が進められています。特に、准教授には100平方メートルの独立研究スペース、研究補助者1名と研究費が与えられ、充実した研究環境で研究に専念出来る仕組みになっています。